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地方裁判所の特別送達に心当たりがない場合は第三債務者の可能性あり

地方裁判所の特別送達に心当たりがない場合は第三債務者の可能性あり

あなたのもとにいきなり裁判所から封筒が届いたことはありますか?

身に覚えがあるならまだしも、理由もわからぬまま何の前触れもなく。

私はあります。

初めての経験だったのでビクビクして過ごした記憶が残っています。

訴えられるようなことをした覚えはないし、借金は一度もしたことがありません。

料金の滞納など一度もしたことがないので、全く心当たりがないのです。

法律の知識がまったくない私はひたすらネットで検索をして調べていました。

地方裁判所 特別送達
特別送達 不在票
裁判 心当たりがない

などのワードで検索をかけましたが、自分の状況に当てはまるものがひとつもありませんでした。

Yahoo 知恵袋などを見てみると、実際に裁判を起こされた当事者の例はありましたが、裁判所から郵便物が届く心当たりがないといったケースは見つけることができず。

そのため、もしも私と同じような不安を抱えている方がいたら力になれたらと思い記事を書くことにしました。

検索してもなかなか情報が出てこないのでめったに起きるような出来事ではないと思いますが…。

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ポストに不在票、差出人は熊本地方裁判所。

ご不在連絡票画像https://trackings.post.japanpost.jp/helpdelivery.html

家を留守にしていて郵便物を受け取れなかった場合、ご不在連絡票がポストに投函されますよね。

まず差出人欄を見てビックリしました。

   熊本地方裁判所 様

なぜ裁判所から?

それに住んでいるところから遠く離れているので不思議でなりません。

そもそも熊本には一度も行ったことがないという。

再配達のご依頼に必要な情報という欄の種類番号を確認してみると、特別送達という見慣れない文字が。

特別送達(とくべつそうたつ)

郵便物の特殊取扱の一。特定の郵便物について、一般の郵便物とは異なった手続きで送達され、送達事実を差出人に証明する制度。裁判所から訴訟関係者にあてて出す書類などに適用される。

出典 三省堂 / 大辞林 第三版

簡単にいえば、訴えられた時などに裁判所から届く郵便物です。

しばらく家を空けてしまっていたため、郵便局の保管期限が過ぎていました。

内容が気になって仕方がないのと怖いという思いもあったので、熊本地方裁判所に電話をして確認を取ることに。

不在票だけでは問い合わせをしても裁判所は確認の取りようがない

電話で話してみたところ、実際に特別送達を受け取って中身を見てもらわないとわからない、不在票だけではどの裁判に関する問い合わせか特定できないというような回答をいただきました。

また熊本地方裁判所から特別送達届くと思うので、しばらくお待ちくださいとのこと。

正直、気が気でない状態でした。

心当たりがないにしても、裁判所から郵便物が届くなんて初体験だったので恐ろしくて眠れない日も。

裁判に関する情報をひたすらネットで収集。

特別送達について無駄に詳しくなった気がします。

まず普通に生活していたら裁判所のお世話になることはないと思っていたので。

裁判員制度により裁判員に選ばれた時などにも特別送達が届きますが、私の場合は差出人が遠方の裁判所なのでその可能性はゼロです。

裁判員制度について

平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年5月21日から裁判員制度が始まりました。
裁判員制度とは、国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。
国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより、裁判が身近でわかりやすいものとなり、司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア等でも行われています。

出典 最高裁判所

問い合わせをしてから約2カ月ほど経った頃、ようやく特別送達が届きました。

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特別送達には偽物も存在するので要注意

支払督促、少額訴訟の呼出状などが裁判所から届く際、特別送達と赤文字で記載された封筒に入っています。(各裁判所の特別送達を調べたところ、黒文字で記載されているものもありました)

特別送達の場合、ポストに投函されるということは絶対にありません。

郵便職員からの直接手渡しが決まりになっていて、受け取ることができなかった場合は不在票が投函されます。

特徴として、本物の特別送達には事件番号と事件名が必ず記載されているのでチェックしましょう。

もしも特別送達に支払い用の振込先が記載されていた場合、偽物の可能性があるので要注意です。

差出人や電話番号など、実在する裁判所なのか、間違いはないか検索をかけて調べるようにしましょう。

電話をかける際は、本物なのかどうか必ず確認を取ってからにしてください。

架空請求であっても本物の特別送達が届く場合もある

近年、架空請求を法的な手続きを悪用して行うといったケースが見受けられるようになりました。

使った覚えのないサイトの利用料を請求されるなどといったものが挙げられます。

督促手続、少額訴訟手続は誰でも簡単に行えるものです。

また、訴えられた際に特別送達を無視し続けてしまうと自分の知らぬ間に裁判が始まってしまい、気づいた頃には敗訴しているという最悪の事態に。

そうなってしまうと、本来まったく払う必要がない架空請求なのにも関わらず支払わなければならない義務ができてしまいます。

たとえ心当たりがなかったとしても、特別送達は絶対に放置してはいけません。

もしも本物だった場合、架空請求であったとしても弁護士や消費者生活センターに相談する必要が出てきます。

しっかりと対応すれば裁判で負けるようなことは絶対にないので安心してください。

実際に借金を抱えてしまって返済が困難である場合は、司法書士法人みつ葉グループへの問い合わせをおすすめします。

司法書士法人みつ葉グループとは

他にもさまざまな架空請求があるのでこちらで確認をしましょう。

法務省の名称等を不正に使用した架空請求に関する注意喚起について

部屋の持ち主が訴えられたことで私が第三債務者になっていた

第三債務者

債務者に対して、さらに債務を負う第三者。差し押さえられた債権の債務者がその例。

出典 三省堂 / 大辞林 第三版

特別送達のざっくりとした内容

  • マンション管理組合が管理費を払わない家主を訴えた。
  • 未納額に達するまで、これからは家賃を家主の口座ではなくマンション管理組合の口座に振り込むように。
  • 確認ができたら署名をして返送を。

ちなみに、特別送達に振込先は記載されていません。

後日、担当の弁護士事務所からマンション管理組合の口座が記載された封筒が届きました。

私はマンションに住んでいるのですが、部屋によって家主が違います。

そして間を取り持つ不動産仲介業者のもとで行われる賃貸契約更新。

家賃は家主の口座に毎月振り込んでいました。

そして家主は毎月、マンション管理組合に管理費を払わなければならないのですが、滞納をしていたため管理組合に訴えられてしまったのです。

結果、家賃収入を差し押さえられることになり、私は第三債務者としてマンション管理組合の口座にお金(家賃)を振り込むことに。

つまり第三債務者といっても、債務を背負わされているとかではなく、私からしたら家賃の振込先が変わっただけです。

また、不動産仲介業者に聞いてみたところ、いつでも引っ越しはできるとのこと。

なので生活は今まで通り、何も変わらないのですが引っ越しの際、敷金は間違いなく返ってこないでしょう。

極度のめんどくさがりなので引っ越しする気も起きず、特に不自由ない生活を送ることができているので今でもその部屋に住んでいます。

ちなみにこの裁判に関して、不動産仲介業者は全く知らなかったそうで。

ただ、家主とは連絡が取れなくて心配していたそうで、まさかこのような裁判沙汰になっているとは思ってもみなかったと。

不動産仲介業者に事例はあるのか聞いたところ、今まで仲介してきてこのようなことが起きたのは初めてですと言われました。

私も裁判所からの特別送達によって家主が訴えられていることを知りましたし、前もってマンション管理組合などから連絡が来るといったことはありませんでした。

第三債務者という立場であっても、自分が知らないところで当事者が法的な手続を踏んで裁判は粛々と進められて結果の報告のみが特別送達という郵便物により私に伝えられました。

家主とは家賃を振り込むだけの間柄であって、連絡を取り合うようなことは特にしてきませんでした。

今思えばなるべく家主とは定期的に連絡を取り合うというか、ある程度の関係を築いておくべきだったかなとは思います。

もしかしたら家主が置かれている状況を把握できたかもしれないので。

状況を把握したところで私にできることは何もないのですが、突然の特別送達に困惑するようなことはなかったでしょう。

まとめ

アパート・マンションなどの借家に住んでいる場合、裁判所から郵便物が届く可能性がごくまれにあるので、無視をしないで必ず受け取るようにしましょう。

また、少額訴訟手続を悪用した架空請求の特別送達も考えられるので繰り返しますが、絶対に放置はせず弁護士や消費者生活センターに相談をすること。

万が一、心当たりがない特別送達が届いたとしても怯える必要は全くありません。

お読みいただきありがとうございました。

司法書士法人みつ葉グループ公式サイト

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